東大システム

化学参考書

【東大卒が解説】化学の新演習(改訂版)の使い方・レベル・勉強法を徹底解説

化学の新演習

化学の新演習とはどんな参考書か

化学の新演習 改訂版」は、三省堂から出版されている化学の問題集で、理系大学受験生の中では最高難度クラスの演習書として知られています。通称「新演習」と呼ばれ、東大・京大・東工大などの最難関大学を志望する受験生が仕上げ段階で使う一冊です。

収録問題は国公立大学や難関私立大学の過去問をベースにした実戦的な問題ばかりで、単純な知識の確認ではなく「化学的な思考力」が試されます。私が指導してきた東大合格者の多くが、この問題集を受験勉強の後半で活用していました。

セットで使われることの多い「化学の新研究」(同じく三省堂・卜部吉庸著)と組み合わせることで、知識と演習の両輪が整います。


化学の新演習の基本情報

項目内容
書名理系大学受験 化学の新演習 改訂版
出版社三省堂
著者卜部吉庸
難易度★★★★★(最難関)
問題数約320問(★〜★★★の3段階)
対応範囲化学基礎・化学(全範囲)
使用時期の目安受験勉強の後半(秋以降)
目標偏差値65以上

化学の新演習のレベルと難易度

新演習の問題は★・★★・★★★の3段階に分かれています。

難易度マークレベルの目安対象
標準〜やや難国公立・難関私大を目指す受験生
★★難〜最難関大レベル旧帝大・東工大レベル
★★★超難問・思考力問題東大・京大・医学部最難関

★★★問題は、現役の化学教師でも解くのに時間がかかるほどの高難度です。志望校によっては★★★を無視して★・★★だけを徹底するのが現実的な戦略です。


他の化学問題集との難易度比較

化学の問題集市場における新演習の立ち位置を整理します。

問題集名難易度特徴対象偏差値
セミナー化学★★☆☆☆基礎〜標準。学校採用が多い~55
重要問題集(数研)★★★☆☆バランス型。幅広い大学に対応55~65
標準問題精講★★★☆☆解説が丁寧。思考力重視58~65
化学の新演習★★★★★最高難度。難関大仕上げ用65以上
化学の新研究参考書(問題集ではない)知識の辞書的活用

新演習は問題集の中では最上位に位置します。「重要問題集を仕上げた上でさらに難問に挑戦したい」という段階で初めて手を伸ばすべき一冊です。


化学の新演習のメリット・デメリット

メリット

  • 本番レベルの思考力が鍛えられる:入試で問われる「見たことのない問題への対応力」が身につく。暗記では解けない問題で思考力を養える
  • 解説が充実している:問題が難しいにもかかわらず、解説は丁寧。特に考え方のプロセスが丁寧に書かれており、なぜその解答になるかが理解できる
  • 網羅性が高い:理論・有機・無機の全範囲をカバーしており、これ1冊で化学の演習を総仕上げできる
  • 難関大の過去問が凝縮されている:東大・京大・東工大・医学部などの良問が多数収録されており、過去問演習の前段階として非常に効果的

デメリット

  • 難易度が高すぎて基礎が固まっていないと使えない:偏差値60未満の段階で手をつけると、ほぼすべての問題が解けずに自信を失う危険がある
  • 時間がかかりすぎる:1問あたりの解答・解説確認に20〜40分かかることもあり、スケジュール管理が難しい
  • 全問やり切るのは非現実的:約320問を全部こなすのは時間的に困難。問題の選別が必要
  • 基礎の穴が露呈する:難問に取り組むと、自分の知識の抜け穴を発見できる反面、それを埋める時間が別途必要になる

東大卒・家庭教師が推奨する化学の新演習の使い方

使い始めるタイミング

新演習に着手する前に、以下の条件を満たしているか確認してください。

  • 教科書レベルの知識が完全に頭に入っている
  • 重要問題集(または同レベルの問題集)を1冊仕上げている
  • 模試の化学偏差値が60以上ある

これらを満たしていない段階で新演習に手をつけるのは、時間の無駄になりかねません。

ステップ1:★問題から始め、問題の傾向をつかむ

最初は★問題だけを通しでやります。「この章ではどんな思考が求められるか」を把握することが目的です。いきなり★★★から始めると、方向性を見失います。

ステップ2:時間を決めて自力で解く

1問につき最大20〜25分を上限として、自力で解くことを徹底します。手が動かなくても「どこでつまずいているか」を意識しながら考え続けることが重要です。すぐに解答を見る習慣がつくと、思考力が伸びません。

ステップ3:解説を読み「考え方」を吸収する

答え合わせは「正誤確認」ではなく「思考プロセスの比較」です。自分の解法と模範解答のアプローチの違いを言語化しておくと、次回似た問題を解く際に役立ちます。

ステップ4:間違えた問題に印をつけて2周目へ

間違えた問題・解き方があやふやだった問題には必ず印をつけておきます。2周目は印のついた問題だけを解き直し、効率よく弱点を潰します。

ステップ5:★★・★★★は志望校に合わせて取捨選択

★★以上の問題は、志望校の傾向に合わせて選びましょう。東大・京大・医学部志望なら★★★まで全力で取り組む価値があります。一方、地方旧帝大・東工大レベルなら★★までを完璧にする方が費用対効果が高いことが多いです。


志望校別・新演習の取り組み方

志望校推奨する取り組み方
東大・京大・医学部最難関★〜★★★まで全問。★★★も丁寧に取り組む
旧帝大(阪大・東北・名古屋など)★〜★★を完璧に。★★★は余裕があれば
東工大★〜★★を徹底。理論・有機を重点的に
難関私大(慶應・理科大など)★〜★★の頻出分野に絞って演習
地方国立医学部★〜★★を完璧に。★★★は選択的に

「化学の新研究」との組み合わせ方

新演習と並んで語られることが多いのが「化学の新研究」です。この2冊の関係を正確に理解しておきましょう。

化学の新研究は参考書(辞書)であり、問題集ではありません。一方、新演習は演習書です。新演習で問題を解いて「なぜこうなるのか」が理解できないとき、新研究を引いて知識を補強するという使い方が理想的です。

2冊を並行して使うことで、難問に対処するための「知識の深み」と「演習量」の両方が手に入ります。


よくある失敗パターン

失敗1:準備不足で始める 基礎が固まっていない状態で新演習に手をつけると、解けない問題ばかりで精神的に消耗します。重要問題集を先に仕上げることが大前提です。

失敗2:全問やろうとして途中で止まる 約320問を全問やり切ろうとすると、多くの受験生がペースを保てずに挫折します。志望校に合わせて問題を絞り込む勇気が必要です。

失敗3:解説を読んで満足する 難しい問題の解説を読んで「理解した」と感じても、2〜3日後には解けなくなります。必ず時間をおいた再演習を繰り返してください。


FAQs:よくある質問

Q1. 化学の新演習は初心者でも使えますか?

おすすめしません。新演習は化学の基礎・標準レベルを完全に習得した後に使う問題集です。まずはセミナー化学や重要問題集で基礎を固めてから手をつけてください。偏差値の目安は60以上です。

Q2. 重要問題集と新演習はどちらをやるべきですか?

順番があります。重要問題集(または標準問題精講)→ 化学の新演習、という順番が正しいです。重要問題集を仕上げてから新演習に進むのが王道ルートです。

Q3. 新演習を1周するのにどのくらいの時間がかかりますか?

★問題だけに絞っても、1日3〜4問ペースで約2〜3ヶ月かかります。全問やろうとすると4〜6ヶ月以上かかることも。受験スケジュールを逆算して、夏休みには着手できるよう計画を立てましょう。

Q4. 化学の新研究は必須ですか?

必須ではありませんが、新演習と組み合わせると効果が高まります。「新演習で解けなかった問題の根拠を調べる辞書」として使うのが最も効率的な活用法です。

Q5. 改訂版と旧版の違いは何ですか?

改訂版では学習指導要領の変更に対応した内容の更新と、一部問題の差し替えが行われています。現行課程で受験する場合は必ず改訂版を購入してください。旧版を持っている場合も、改訂版への買い替えを強くすすめます。

Q6. 東大志望ですが、新演習だけで化学の対策は十分ですか?

新演習を仕上げた上で、東大の過去問演習(10〜15年分)を必ず行ってください。新演習はあくまで「思考力の土台づくり」です。東大化学は出題形式が独特なため、過去問で形式慣れする段階が別途必要です。


まとめ

化学の新演習は、難関大受験生が化学の演習を仕上げるための最高峰の問題集です。ただし、使うタイミングと使い方を間違えると時間を無駄にするリスクがあります。

基礎を固めた上で、志望校に合わせて問題を選び、解説を読んで終わりにせず繰り返し演習する。この原則を守って取り組めば、化学は必ず得点源になります。

難しいからこそ、やり切ったときの達成感と実力の伸びは格別です。本番で自信を持って化学の答案を書けるよう、計画的に取り組んでいきましょう。


本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。

Popular人気記事ランキング