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大岩のいちばんはじめの英文法とは?
「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」は、東進ハイスクール講師・大岩秀樹先生が書いた英文法の入門書です。
東進ブックス「名人の授業シリーズ」の1冊で、英語が苦手な受験生向けに「中学英語の復習+高校英語の基礎」をひとまとめにカバーしています。
私がこれまで指導してきた受験生の中でも、「英語が全然わからない」という生徒に最初に渡してきた参考書がこの1冊です。会話調の丁寧な解説が特徴で、まるで授業を受けているような感覚で読み進められます。

本書の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 著者 | 大岩秀樹 |
| 出版社 | 東進ブックス(ナガセ) |
| シリーズ | 名人の授業シリーズ |
| 難易度 | 超基礎(中学〜高校基礎) |
| ページ数 | 約250ページ |
| 対象 | 英語が苦手な高校生・大学受験生 |
| 目標偏差値 | ~45程度まで |

英文法参考書のレベル別比較表
自分に合ったレベルの参考書を選ぶために、よく使われる英文法参考書と比較してみましょう。
| 参考書名 | 難易度 | 対象レベル | 目標偏差値 |
|---|---|---|---|
| 大岩のいちばんはじめの英文法 | ★☆☆☆☆ | 超基礎・中学英語からやり直し | ~45 |
| 肘井学の ゼロから英文法 | ★★☆☆☆ | 基礎〜標準 | 40~50 |
| 大学入試 英文法・語法 Vintage | ★★★☆☆ | 標準〜難関 | 55~65 |
| 英文法・語法 Next Stage | ★★★☆☆ | 標準〜難関 | 55~65 |
| 英文法ファイナル問題集(難関大編) | ★★★★☆ | 難関〜最難関 | 65以上 |
大岩の英文法は、このリストの中でダントツに基礎レベルです。「英文法の参考書を開いても何が書いてあるかわからない」という受験生の最初の1冊として設計されています。

本書の構成と中身
本書は大きく3パートに分かれています。
第1部:品詞と文の要素
名詞・動詞・形容詞・副詞といった品詞の役割から始まり、主語・述語・目的語・補語という文の要素を丁寧に解説。「SVOとは何か」を理解していない受験生でも、ここからきちんと学べます。
第2部:基本的な文法項目
時制・助動詞・受動態・不定詞・動名詞・分詞・関係詞・比較など、高校英語の文法の基本項目を網羅。各単元は「講義 → 例文 → 確認問題」の流れで構成されており、インプットとアウトプットが自然な形で組み合わさっています。
第3部:確認テスト・まとめ
各章末の確認問題と総まとめ問題で、学んだ内容を定着させます。

大岩の英文法のメリット・デメリット
メリット
- 会話調の解説で読みやすい:「〜なんです」「〜ですよね」という語りかけるような文体で、まるで授業を聞いているような感覚で読み進められる
- 前提知識ゼロでも読める:中学英語の基礎から説明してくれるため、高校の授業についていけていない受験生でもスタートできる
- 薄くて挫折しにくい:約250ページとコンパクトで、1〜2週間で1周できる分量。達成感を得やすい
- 例文がシンプルで覚えやすい:難しい例文を使わず、文法のポイントだけが際立つシンプルな例文を採用している
- コスパが高い:1冊で中学〜高校基礎の文法をまとめてカバーできる

デメリット
- 入試問題には直結しない:本書だけで入試の文法問題を解くのは難しく、後続の問題集が必須
- 問題演習が少ない:講義メインの構成のため、演習量は決して多くない。別途問題集が必要
- 難関大レベルには対応していない:MARCH・早慶・旧帝大の文法問題には全く足りない
- 単語や熟語はカバーしていない:文法に特化した参考書のため、語彙力強化には別の参考書が必要

東大卒・家庭教師が推奨する使い方
実際に指導してきた経験から、効果的な使い方を段階別に解説します。
ステップ1:まず1周「読む」(1〜2週間)
最初は問題を解くことより、講義部分を丁寧に読むことを優先しましょう。「わからない」と立ち止まりすぎず、とにかく1周読み切ることが大事です。読み切ることで文法全体の地図が頭に入ります。
ステップ2:確認問題を解く(2周目)
1周読んだら、今度は各章の確認問題を自力で解いてみましょう。解けなかった問題は、講義部分に戻って該当箇所を読み直します。「どこで詰まったか」を把握するのがこのステップの目的です。
ステップ3:苦手単元を重点的に復習(3周目)
2周目で間違えた問題・理解が浅かった単元に付箋を貼り、3周目はその箇所だけを集中的に復習します。全部を均一にやり直す必要はありません。
ステップ4:次の参考書へ移行する
本書を3周して確認問題が全問正解できるようになったら、次のステップへ進みます。基礎固めの参考書という位置づけなので、ここで止まらないことが重要です。

本書に向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 中学英語から怪しい | 英語の偏差値が55以上ある |
| 英語の授業が全くわからない | MARCH・早慶・旧帝大志望 |
| 他の文法書を読んでも理解できなかった | 文法の基礎は理解済みで演習がしたい |
| 英語をゼロからやり直したい受験生 | 英文法を体系的・網羅的に学びたい |
| 短期間でサクッと基礎を確認したい | 問題演習で実力をつけたい |

大岩の英文法を終えたら次は何をすべきか
本書はあくまで入口です。終えた後の学習ルートを整理しておきましょう。
目標大学別のおすすめ学習ルート
| 目標 | 推奨ルート |
|---|---|
| 共通テスト6割 | 大岩 → 英文法レベル別問題集(レベル1〜2)→ 共通テスト演習 |
| 共通テスト8割・日東駒専 | 大岩 → Vintage・Next Stage(基礎レベル) → 過去問演習 |
| MARCH・地方国立 | 大岩 → Vintage → 過去問演習 |
| 早慶・旧帝大 | 大岩(基礎確認のみ)→ Vintage → ファイナル問題集 → 過去問 |
大岩の英文法を終えた後は、問題演習型の参考書に移行するのが鉄則です。「読んで理解した」だけでは入試では通用しないため、問題を解く練習を必ず積んでください。

大岩の英文法と一緒に使うべき参考書
文法書はあくまで「ルールを理解する」ための参考書です。英語力を総合的に伸ばすために、以下の参考書を並行・後続で使うことをおすすめします。
| カテゴリ | おすすめ参考書 | 使うタイミング |
|---|---|---|
| 文法演習 | 英文法レベル別問題集①② | 大岩の後すぐ |
| 単語 | システム英単語Basic | 大岩と並行 |
| 読解入門 | 大岩のいちばんはじめの英語長文 | 大岩の後 |
| 文法・語法 | Vintage / Next Stage | 基礎固め後 |
特に単語学習は文法と並行してやることを強くすすめます。文法がわかっても単語がわからなければ英文は読めないからです。

よくある失敗パターン
これまで指導してきた中で、特によく見かける失敗を3つ紹介します。
1つ目は「大岩だけで満足してしまう」パターンです。本書は丁寧でわかりやすいため、読み終えると「英文法をマスターした」と感じてしまいがちです。しかし実際には、入試で使えるレベルにはまだ届いていません。あくまで「スタートラインに立った」という認識を持ちましょう。
2つ目は「1周読んで放置する」パターンです。1度読んだだけでは内容はほとんど定着しません。最低3周、確認問題が全問正解できるまで繰り返すことが重要です。
3つ目は「文法だけに時間をかけすぎる」パターンです。特に高3の春以降に大岩を始めた場合、文法に1ヶ月以上かけるのは危険です。2〜3週間でスピーディーに終わらせ、読解や単語にも時間を回しましょう。

FAQs:よくある質問
Q1. 大岩の英文法は本当に初心者向けですか?
はい、英語の参考書の中でもトップクラスに初心者向けです。中学英語の「主語・動詞」の概念から丁寧に解説しているため、英語が大の苦手な受験生でも読み進められます。ただし、まったくのゼロ(アルファベットも怪しい)というレベルだと別途中学英語の復習が必要です。
Q2. 大岩の英文法だけで共通テストは解けますか?
共通テストの英語を解くには文法知識だけでなく、読解力・リスニング力・語彙力が必要です。本書だけでは不十分で、後続の問題集や長文読解の練習が必須です。共通テストで6割を目指すなら、本書の後に英文法レベル別問題集と長文の演習が最低限必要です。
Q3. 何周すればいいですか?
最低3周が目安です。1周目は「読む」、2周目は「問題を解く」、3周目は「苦手箇所の集中復習」という使い分けをすると効率的です。確認問題が全問正解できれば次のステップに進んで構いません。
Q4. 大岩の英文法と「大岩の英語長文」は一緒に使うべきですか?
大岩シリーズには「英文法」と「英語長文」があり、文法の後に長文へ進むのは自然な流れです。ただし並行して使うよりは、英文法をある程度固めてから長文に移行する方が理解しやすいでしょう。
Q5. 高3の夏から始めても間に合いますか?
目標大学によります。共通テスト6割程度が目標であれば、夏から集中的に取り組めば間に合う可能性はあります。一方でMARCH以上を目指す場合、夏からこのレベルの参考書から始めるのはかなり厳しいスケジュールです。その場合は、本書を2週間以内でスピード消化し、すぐに次のレベルへ移ることが必要です。
Q6. 電子書籍でも使えますか?
電子書籍版も販売されています。ただし、参考書は書き込みや付箋を活用した復習が効果的なため、紙の書籍の方が使いやすいという受験生が多いです。移動中の学習には電子書籍、メインの学習には紙、という使い分けも一つの手です。

まとめ
「大岩のいちばんはじめの英文法」は、英語が苦手な受験生が文法の基礎を固めるのに最適な参考書です。会話調のわかりやすい解説と、挫折しにくいコンパクトな分量が最大の魅力です。
ただし、あくまでも「入口の参考書」であり、これ1冊で入試を突破できるわけではありません。本書で英文法の土台を作り、問題演習・長文読解・単語学習へと着実にステップアップしていくことが、英語の成績を伸ばす王道です。
どんなに基礎が弱くても、正しい参考書を正しい順番で使えば必ず英語は伸びます。焦らず、でも着実に進んでいきましょう。
本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。