Contents
「田部の生物基礎をはじめからていねいに」とは?
「田部の生物基礎をはじめからていねいに【改訂版】」は、東進ハイスクール講師・田部眞哉先生が書いた生物基礎の入門書です。東進ブックス「名人の授業シリーズ」の一冊として、全国の受験生に長く支持されてきました。
最大の特徴は、授業を受けているような語り口調の解説です。堅苦しい教科書的な文体ではなく、「先生が隣で話しかけてくれているような」感覚で読み進められます。私が家庭教師として指導してきた生徒の中にも、「生物基礎の授業が全然わからない」「教科書を読んでも頭に入らない」という悩みをこの一冊で解消した生徒が多くいます。

基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 田部の生物基礎をはじめからていねいに【改訂版】 |
| 著者 | 田部眞哉 |
| 出版社 | 東進ブックス(ナガセ) |
| シリーズ | 名人の授業シリーズ |
| 難易度 | 入門〜基礎 |
| ページ数 | 約250ページ |
| 対象 | 生物基礎が苦手・ゼロから始める受験生 |

本書の構成と特徴
本書は生物基礎の学習範囲を大きく3部構成でカバーしています。
第1部:細胞と遺伝子 DNAの構造・細胞分裂・遺伝情報の発現など、生物基礎の中で最も難解とされる分野を、図解をふんだんに使いながら丁寧に解説しています。
第2部:生物の体内環境 ホルモン・神経・免疫といった「体内環境の調節」を扱います。共通テストで頻出の分野であり、本書では因果関係(なぜそうなるのか)を丁寧に説明している点が秀逸です。
第3部:生物の多様性と生態系 植生・バイオーム・物質循環など、暗記量が多いと思われがちな分野を、体系的に整理して解説しています。
各章の終わりには「まとめ」と「確認問題」が設けられており、インプットとアウトプットをその場でセットに行える構成です。

類似参考書との比較表
本書と他の生物基礎参考書を比較してみましょう。
| 参考書名 | 難易度 | 解説の丁寧さ | 問題量 | こんな人に向いている |
|---|---|---|---|---|
| 田部の生物基礎をはじめからていねいに | 入門〜基礎 | ★★★★★ | 少なめ | ゼロから始める・授業が苦手 |
| 生物基礎の必修整理ノート | 基礎 | ★★★☆☆ | 中程度 | 書いて覚えたい・整理したい |
| センター生物基礎 面白いほどとれる本 | 基礎〜標準 | ★★★★☆ | 中程度 | 共通テスト対策に特化したい |
| リードLightノート生物基礎 | 基礎〜標準 | ★★☆☆☆ | 多め | 問題演習をしっかりこなしたい |
| 大学入試 生物基礎の点数が面白いほどとれる本 | 基礎〜標準 | ★★★★☆ | 中程度 | 共通テスト高得点を狙いたい |
田部の本は「解説のわかりやすさ」では群を抜いています。一方、問題演習の量は少なめなので、後述するように別の問題集との併用が必須です。

メリット・デメリット
メリット
1. 語り口調で読みやすい 教科書のような無機質な文体ではなく、田部先生が授業中に話しているような文体で書かれています。生物が苦手な生徒でも「読み続けられる」と感じやすいのは、この工夫のおかげです。
2. 因果関係の説明が丁寧 生物基礎で多くの受験生がつまずくのが「なぜそうなるのか」という因果関係の理解です。本書はこの点に特に力を入れており、「ホルモンがなぜ血糖値を下げるのか」「免疫はどういう順番で働くのか」を一歩一歩追って解説しています。
3. 図解が豊富 複雑な生命現象もビジュアルで確認できるよう、図や表が豊富に掲載されています。視覚的に理解することで、記憶の定着率が上がります。
4. 改訂版で共通テストに対応 改訂版では最新の学習指導要領・共通テストの出題傾向に合わせた内容に更新されています。

デメリット
1. 問題演習が少ない 本書は「理解する」ことに特化しており、問題を解く量は少なめです。共通テストで得点するためには、別途問題集が必要になります。
2. 難関大の生物(生物基礎以上)には対応していない 本書のカバー範囲は「生物基礎」に限定されます。生物(発展)を必要とする難関大受験生は、別の参考書が必要です。
3. やや情報量が多く感じる場面がある 丁寧に書いてある分、1テーマあたりのページ数が多く、急いでいる受験生には「量が多い」と感じることも。まず例題と図だけを拾い読みする方法が有効です。

東大卒・家庭教師が推奨する使い方
フェーズ1:通読(1〜2週間)
最初は「全部覚えよう」としなくてOKです。まず1周、授業を受けるように読み流してください。細かい数値や用語の暗記よりも、「流れ・仕組みのイメージをつかむ」ことを優先しましょう。
フェーズ2:精読+図解の再現(2〜4週間)
2周目は章ごとに精読します。読み終えたら本を閉じ、その章に出てきた重要な図(ホルモンの調節回路・免疫の流れなど)をノートに自分で再現してみてください。書けない部分がそのまま「理解できていない部分」です。
フェーズ3:確認問題→問題集への移行
各章の確認問題を解いて理解度をチェックします。ここで8割以上解けるようになったら、別の問題集(共通テスト対策問題集や過去問)に移行しましょう。
学習スケジュール目安
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高3の4〜5月 | 1周通読・大まかな流れをつかむ |
| 6〜7月 | 精読・図の再現・確認問題 |
| 8〜9月 | 問題集・共通テスト形式の演習 |
| 10〜11月 | 共通テスト過去問・弱点の復習 |
| 12月〜直前 | 本書に戻って知識の最終確認 |
田部の本と一緒に使いたいおすすめ問題集
田部の本で「理解」を固めたら、以下の問題集でアウトプット練習をしましょう。
| 問題集名 | レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 共通テスト過去問・予想問題集 | 基礎〜標準 | 最終目標。形式に慣れることが大事 |
| 生物基礎一問一答(東進) | 基礎 | 用語の定着に最適。隙間時間に活用 |
| リードLightノート生物基礎 | 基礎〜標準 | 書いて解く形式で定着度が上がる |

この参考書に向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 生物基礎が全くわからない | すでに基礎知識がある・演習を積みたい |
| 授業の内容が頭に入ってこない | 生物(発展)まで必要な難関大志望 |
| 教科書が硬くて読む気になれない | 短期間で問題演習まで終わらせたい |
| 文章を読んで理解するのが得意 | 一問一答形式でテンポよく覚えたい |

よくある失敗パターン
家庭教師の経験から、よく見かける失敗を3つ挙げます。
1つ目は「読むだけで満足してしまう」パターンです。本書は読みやすいので「わかった気」になりやすいのですが、問題を解くと意外と点が取れないことが多い。読んだ後は必ず手を動かして図を書いたり、問題を解いたりすることが重要です。
2つ目は「1周で完璧にしようとする」パターンです。1回読んだだけでは定着しません。最低でも2〜3周繰り返すことを前提に、最初は軽く読み流す方が結果的に効率的です。
3つ目は「田部の本だけで共通テストに臨む」パターンです。本書は理解を深める参考書であり、問題形式への慣れは別途必要です。共通テスト特有の「グラフ読み取り問題」や「実験考察問題」は、過去問演習を通じて対応力を磨く必要があります。

FAQs:よくある質問
Q1. 田部の本だけで共通テストの生物基礎は対応できますか?
知識のインプットとしては十分ですが、それだけでは高得点は難しいです。共通テストはグラフの読み取りや実験考察問題が多く出るため、本書で理解を深めた後、必ず共通テスト形式の問題演習を重ねてください。
Q2. 改訂版と旧版の違いは何ですか?
改訂版は最新の学習指導要領・共通テストの出題傾向に合わせた内容に更新されています。旧版を持っている場合でも、基礎的な内容に大きな差はありませんが、共通テスト対策をするなら改訂版の使用を推奨します。
Q3. 生物基礎は何月までに終わらせるべきですか?
遅くとも夏休み終わり(9月初旬)までに本書を使ったインプットを終わらせ、秋以降は問題演習に集中するのが理想です。生物基礎は短期間でも伸ばせる科目なので、秋以降のスタートでも諦めないでください。
Q4. 生物が苦手な文系でも使えますか?
むしろ文系の受験生にこそ向いています。理系的な思考を要求せず、「仕組みを読んで理解する」スタイルで学べる本書は、文系の受験生との相性が非常に良いです。
Q5. 他の東進の参考書(はじめからていねいにシリーズ)と一緒に使っても大丈夫ですか?
問題ありません。シリーズ全体を通じて解説スタイルが統一されているため、複数科目で同シリーズを使う受験生も多いです。

まとめ
「田部の生物基礎をはじめからていねいに」は、生物基礎が苦手な受験生が最初に手に取るべき参考書として、非常に完成度が高い一冊です。語り口調の丁寧な解説、豊富な図解、そして因果関係を丁寧に追う構成は、他の参考書では代替しにくい強みです。
ただし、あくまで「理解を深める参考書」であることを忘れずに。本書で土台を作り、問題演習で得点力に変換する——この流れを守ることが、共通テストの生物基礎で高得点を取る最短ルートです。
生物基礎は正しく取り組めば必ず伸びる科目です。本書を相棒に、着実に力をつけていきましょう。
本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。