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英作文ハイパートレーニング 自由英作文編とは?
「大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編」(桐原書店)は、大学入試で出題される自由英作文・意見論述問題に特化した参考書です。著者は大学入試英語指導の第一人者・中澤一氏で、長年にわたり受験生に支持されてきた定番書籍です。
自由英作文は「意見を英語で述べる」形式の問題で、難関私大・国公立大を中心に出題が増えています。単語や文法の知識があっても、いざ書こうとすると手が止まってしまう受験生が多く、専用の対策が必要です。
私がこれまで指導してきた受験生の多くも、「英語は読めるのに書けない」という悩みを持っていました。この参考書はまさにそのギャップを埋めるために設計されています。

本書の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 大学入試英作文ハイパートレーニング 自由英作文編 |
| 出版社 | 桐原書店 |
| 著者 | 中澤一 |
| 難易度 | 中級〜上級 |
| 対象 | 偏差値55〜70以上を目指す受験生 |
| 問題形式 | 自由英作文・意見論述・条件英作文 |
| ページ数 | 約200ページ |

本書の構成と中身
本書は大きく「基礎編」「実戦編」「添削例」の3部構成になっています。
基礎編:論述の「型」を学ぶ
自由英作文では、まず「意見の述べ方」という構造を身につけることが先決です。基礎編では、「主張→理由→具体例→結論」というエッセイの基本フレームを習得します。この型を使えるようになるだけで、白紙答案を防ぎ、一定の得点が取れるようになります。
実戦編:入試頻出テーマで演習
「テクノロジーと社会」「環境問題」「グローバル化」「教育」など、入試に頻出するテーマごとに問題が分類されています。テーマ別に学ぶことで、関連する英語表現・語彙・論点をまとめてインプットできる効率的な設計です。
添削例:答案の改善プロセスを学ぶ
本書の最大の特徴が、受験生の実際の答案を添削したサンプルが掲載されている点です。「こう書くと減点される」「こう直すと加点される」というリアルな例が豊富で、採点官の視点を疑似体験できます。

英作文ハイパートレーニングのメリット・デメリット
メリット
- 添削例が充実している:他の参考書にない最大の強みで、自分の答案のどこが弱いかが客観的に見えるようになる
- テーマ別の頻出表現が身につく:入試に出やすいトピックに絞られており、無駄なく語彙・表現を増やせる
- 論述の「型」が習得できる:意見の組み立て方を体系的に学べるため、初めて自由英作文を学ぶ受験生でも取り組みやすい
- 模範解答のレベルが高すぎない:実際の入試で求められるレベルの英文が示されており、現実的な目標として参考にできる

デメリット
- 和文英訳の練習はできない:本書は自由英作文専用のため、和文英訳(日本語訳を英語にする問題)の対策には使えない
- 文法・語法の解説は薄い:英文法の基礎知識がない状態では取り組みにくく、別途文法書が必要
- 問題数はやや少なめ:演習量を稼ぐには他の問題集との併用が望ましい
- 添削をしてもらえるわけではない:あくまで参考書のため、自分の答案のフィードバックは自己判断になる

どんな受験生に向いているか
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 英語は読めるが書けない | 英文法・語法が固まっていない |
| 自由英作文が出題される大学を受ける | 和文英訳だけが出題される大学を受ける |
| 偏差値55以上ある | 英語の基礎力がほぼゼロ |
| 論述の構成の仕方を知らない | 共通テストのみで英作文は不要 |
| 難関私大・国公立大を目指している | 英作文の入試配点が極めて低い |

東大卒・家庭教師が推奨する使い方
ステップ1:基礎編を通読して「型」を頭に入れる(1〜2週間)
最初から問題を解こうとせず、まず基礎編を一通り読んで、自由英作文の構造を理解しましょう。「主張→理由→具体例→結論」という構成を暗記レベルで定着させることが出発点です。
ステップ2:制限時間を設けて答案を書く(実戦編)
実戦編の問題は必ず自分で答案を書いてから模範解答を確認してください。時間は本番に合わせて15〜25分程度に設定します。書く前に答えを見てしまうと、「書く練習」ではなく「読む練習」になってしまい、実力がつきません。
ステップ3:添削例と自分の答案を照らし合わせる
模範解答を見るだけでなく、添削例にある「よくある減点答案」と自分の答案を比較してください。自分が陥りがちなミスのパターンが見えてきます。私が指導していた生徒は、ここで「自分の英語がなぜ採点官に伝わらないか」を初めて自覚することが多かったです。
ステップ4:模範解答の表現を暗記する
自由英作文で点を取るには、使える表現のストックを増やすことが欠かせません。模範解答の中で「これは使える」と思った表現を抜き出してノートにまとめ、繰り返し声に出して覚えましょう。
ステップ5:別のテーマで応用練習
本書を1周したら、他のテーマや過去問を使って同じ「型」で書く練習をします。型が身についていれば、見慣れないテーマが出ても対応できるようになります。

他の英作文参考書との比較
| 参考書名 | 難易度 | 自由英作文 | 和文英訳 | 添削例 | こんな人におすすめ |
|---|---|---|---|---|---|
| 英作文ハイパートレーニング 自由英作文編 | 中〜上 | ◎ | × | ◎ | 論述対策したい |
| 英作文ハイパートレーニング 和文英訳編 | 初〜中 | × | ◎ | ○ | 和文英訳から始めたい |
| 最短でマスター!英作文 | 初〜中 | ○ | ○ | △ | 基礎から一通り学びたい |
| 竹岡広信の英作文が面白いほど書ける本 | 中 | ○ | ○ | △ | 解説重視で学びたい |
| 大矢英作文講義の実況中継 | 初〜中 | △ | ◎ | ○ | 丁寧な解説を求める |
自由英作文だけに絞って対策するなら、本書の右に出る参考書は現状ほとんどありません。ただし和文英訳が入試に出る場合は、同シリーズの「和文英訳編」との併用が効果的です。

よくある失敗パターン
指導経験から見えてくる失敗は、主に3つです。
「模範解答を読んで満足してしまう」のが最もよくある失敗です。自由英作文は「書く」練習をしないと絶対に上達しません。答えを見て「なるほど」と思っても、実際に書けるようになるには別の能力が必要です。
「型を無視して自己流で書き続ける」ケースも多いです。日本語でも英語でも、論述には構成があります。「自分の言いたいことをそのまま書く」スタイルだと、採点官に伝わりにくい答案になります。
「語彙・表現を覚えずに演習だけを繰り返す」のも非効率です。使える表現のストックがなければ、いくら書いても同じ稚拙な英語を繰り返すだけです。演習と暗記を必ずセットで進めてください。
使い始めるタイミングと学習スケジュール
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高2冬〜高3春 | 英文法・語法の基礎固め(英作文はまだ早い) |
| 高3夏前(6〜7月) | 本書の基礎編スタート・型の習得 |
| 高3夏(7〜8月) | 実戦編を1テーマずつ演習 |
| 高3秋(9〜10月) | 本書2周目+志望校の過去問英作文 |
| 高3冬(11月〜) | 過去問演習中心・本書は表現の確認に使う |
英作文の対策は、英文法・英文読解がある程度固まってから始めるのが原則です。目安として「英語偏差値55以上」になってから取り組むと、本書の内容が素直に入ってきます。

FAQs:よくある質問
Q1. 英作文の勉強は何から始めればいいですか?
英文法の基礎(特に時制・仮定法・関係詞)が固まっていれば、本書から始めて構いません。文法が不安な場合は、「Vintage」「NextStage」などの文法問題集を並行して進めながら取り組むのがおすすめです。
Q2. 自由英作文編と和文英訳編はどちらを先にやるべきですか?
志望校の出題形式によります。自由英作文が出るなら本書を優先してください。両方出る場合は和文英訳編を先に終わらせてから本書に進む方が、英語を書く基礎体力がついた状態で論述に取り組めるためおすすめです。
Q3. 1周するのにどのくらいの期間がかかりますか?
1日1〜2問のペースで進めれば、約1〜2ヶ月で1周できます。ただし問題を解くだけでなく、表現の暗記と復習も含めると2〜3ヶ月みておいた方が余裕を持って取り組めます。
Q4. 共通テストだけなら本書は必要ですか?
共通テストには英作文問題が含まれていないため、共通テストのみを受験する場合は本書は不要です。ただし国公立大の二次試験や私大の一般入試で英作文が出る場合は、必ず対策しておくべきです。
Q5. 書いた答案を誰かに添削してもらった方がいいですか?
理想を言えば、添削してもらえる環境(学校の先生・塾・家庭教師)があるに越したことはありません。しかし本書の添削例を使って自己採点を繰り返すだけでも、独学での対策は十分に可能です。添削例の「よくある減点ポイント」と照らし合わせる作業を丁寧に行うことが自己添削の鍵です。
Q6. 難関大(東大・京大・早慶)の対策にも使えますか?
本書は偏差値55〜65程度の大学を主なターゲットにしており、東大・京大・早慶レベルの英作文には別途過去問演習が必要です。ただし「論述の型」と「頻出表現のストック」を身につける段階として、難関大志望者にも本書は有効です。

まとめ
「英作文ハイパートレーニング 自由英作文編」は、自由英作文対策に特化した参考書として、現在市販されているものの中でも完成度が高い1冊です。特に添削例の充実度とテーマ別の実践的な構成は、他の参考書にはない強みです。
大切なのは、読むだけで終わらせないこと。必ず手を動かして書き、添削例と照らし合わせ、使えた表現を積み重ねていくことです。この積み上げを続ければ、自由英作文は必ず得点源に変えることができます。
英語が得意な受験生でも、「書く」ことは別のトレーニングが必要です。入試本番まで時間のある今のうちに、本書を使った対策を始めましょう。
本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。