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Focus Goldとは?基本情報をおさえよう
「Focus Gold(フォーカスゴールド)」は、啓林館が発行する数学の参考書シリーズです。正式名称は「フォーカスゴールド6th Edition 数学Ⅰ+A」。金色の表紙が目印で、書店の参考書コーナーでひときわ存在感を放っています。
青チャートと並んで「大学受験数学の二大巨頭」と呼ばれており、難関大受験生を中心に絶大な支持を集めています。私がこれまで家庭教師として指導してきた生徒の中にも、Focus Goldを軸に数学の実力を飛躍的に伸ばした受験生が何人もいます。
その最大の特徴は、基礎から最難関レベルまでを1冊でカバーする圧倒的な網羅性と、解説の丁寧さにあります。

チャート式との難易度比較表
Focus Goldと他の代表的な網羅系参考書を比較してみましょう。
| 参考書 | 出版社 | 難易度 | 問題数(数Ⅰ+A) | 対象偏差値 |
|---|---|---|---|---|
| 白チャート | 数研出版 | ★☆☆☆☆ | 約600 | ~50 |
| 黄チャート | 数研出版 | ★★☆☆☆ | 約750 | 50~60 |
| Focus Gold | 啓林館 | ★★★☆☆ | 約1000 | 55~70 |
| 青チャート | 数研出版 | ★★★☆☆ | 約900 | 55~70 |
| 赤チャート | 数研出版 | ★★★★★ | 約800 | 65以上 |
Focus Goldは青チャートと同等〜やや上のレベルに位置しており、問題数は青チャートよりもやや多め。「基礎問題から東大・京大レベルまで1冊で完結できる」というコンセプトが他書と大きく異なります。

Focus Goldの構成と中身
Focus Goldの構成を理解することが、正しい使い方への第一歩です。
各章の構成
- 基本事項(公式・定理の確認)
- 例題(★1〜★4で難易度が明示)
- 練習問題
- Level Up問題(応用・発展)
- 章末問題(チャレンジ問題含む)
- コラム・補足
特筆すべきは難易度が★1〜★4まで段階的に設定されている点です。★1は教科書レベルの基礎、★4は最難関大入試レベルという設計になっており、自分のレベルに合わせた使い方ができます。
また、各例題の解説には「精講」という思考プロセスの説明が入っており、「なぜそう考えるのか」が丁寧に示されています。

Focus Goldのメリット・デメリット
メリット
- 1冊で基礎〜最難関レベルまでカバー:参考書を何冊も買い替える必要がなく、コスパが高い
- 難易度が★で明示されている:自分のレベルに合わせて取り組む問題を絞りやすい
- 「精講」による思考プロセスの解説:解き方だけでなく「なぜそう考えるのか」が学べる
- 問題数が豊富:1冊で演習量を確保できる
- チャレンジ問題が充実:東大・京大・医学部レベルの問題も収録されており、最難関対策も可能

デメリット
- 分厚くて重い:数Ⅰ+A版でも1000ページ近くあり、物理的な圧迫感がある
- 初学者・数学が苦手な人には不向き:★1から始めても、ある程度の基礎知識が前提になっている
- 全部やろうとすると時間がかかりすぎる:問題数が多い分、使い方を間違えると消化不良になる
- 青チャートとの差別化がわかりにくい:どちらを選ぶべきか迷いやすい

東大卒・家庭教師が推奨するFocus Goldの使い方
Focus Goldは「使い方次第で化ける参考書」です。私が指導の現場で実践してきた、効果的な使い方を段階別に紹介します。
ステップ1:自分のレベルに合わせて取り組む★を決める(計画)
最初にやることは、全問を解こうとしないことです。まず模試の偏差値や志望校をもとに、取り組む★のレベルを決めましょう。
| 偏差値目安 | 優先する★レベル |
|---|---|
| 〜55 | ★1・★2のみ |
| 55〜60 | ★1・★2・★3 |
| 60〜65 | ★1〜★3、余裕があれば★4 |
| 65以上(旧帝大・医学部) | ★1〜★4 + チャレンジ問題 |
ステップ2:「精講」を読んで考え方を理解する(インプット)
例題を解く前に、まず「精講」を読んで解法の方針を確認します。ここが青チャートとの大きな違いで、単なる解法暗記ではなく「思考の型」を学ぶことができます。
ステップ3:自力で解答を書いてみる(アウトプット)
精講を読んだうえで、解答を見ずに自力で解いてみます。手が止まったら、精講をもう一度確認して再チャレンジ。それでも解けなければ解答を確認します。
ステップ4:解答と照合・分析する
自分の解答と模範解答を比較して、どこがズレていたかを分析します。「計算ミス」「考え方の違い」「そもそも知らなかった」の3種類に分類して管理すると復習効率が上がります。
ステップ5:反復演習で定着させる(復習)
解いた問題に「○△×」の印をつけて管理します。×の問題は3日後、△の問題は1週間後に必ず再演習しましょう。Focus Goldは問題数が多いため、「できない問題に集中する」マネジメントが特に重要です。
Focus Goldと青チャートの徹底比較
「Focus Goldと青チャートはどちらを選ぶべきか」という質問は非常に多く受けます。
| 比較項目 | Focus Gold | 青チャート |
|---|---|---|
| 出版社 | 啓林館 | 数研出版 |
| 問題数(Ⅰ+A) | 約1000問 | 約900問 |
| 難易度の上限 | 最難関大レベル | 難関大レベル |
| 解説の丁寧さ | ★★★★★ | ★★★☆☆ |
| 思考プロセスの解説 | 精講で充実 | やや少なめ |
| 学校採用率 | 増加中 | 非常に高い |
| 向いている人 | 自学自習派・難関大志望 | 学校で配布された場合・標準~難関大 |
私の見解としては、自分で計画を立てて自学自習できる受験生ならFocus Goldの方が優れていると感じています。解説が丁寧で思考プロセスを学べるため、独学との相性が良いです。一方、学校で青チャートが配布されている場合は、浮気せず青チャートを極める方が時間的に効率的です。

Focus Goldを終えたら次は何をすべきか
Focus Goldは完成度の高い参考書ですが、入試本番に向けてはアウトプットの訓練も必要です。
目標大学別のおすすめルート
| 目標 | 推奨ルート |
|---|---|
| 共通テスト7〜8割 | Focus Gold ★1〜★2 → 共通テスト過去問 |
| 地方国立・MARCHレベル | Focus Gold ★1〜★3 → 志望校過去問 |
| 早慶・上位国立 | Focus Gold ★1〜★4 → 標準問題精講 or 過去問 |
| 東大・京大・医学部 | Focus Gold 全範囲 → 過去問 + 東大数学対策 |

よくある失敗パターン
Focus Goldを使う受験生が陥りやすい失敗を3つ紹介します。
1つ目は「全問解こうとして途中で力尽きる」パターンです。問題数が約1000問あるため、何も考えずに最初から解いていくと挫折します。★レベルで絞り込んで、まず1〜2周することを優先してください。
2つ目は「精講を読み飛ばす」パターンです。「精講」こそFocus Goldの最大の資産です。ここを読み飛ばして解答だけを確認する使い方をすると、青チャートと大差なくなります。
3つ目は「Level Up問題に手を出しすぎる」パターンです。Level Up問題はかなり難しく、基礎が固まる前に取り組むと時間を消耗するだけです。例題をしっかりこなしてから取り組みましょう。

FAQs:よくある質問
Q1. Focus Goldは数学が苦手な人でも使えますか?
苦手な人には少し難しい参考書です。「定期テストで50点以下」「中学数学に不安がある」というレベルなら、白チャートや黄チャートで基礎を作ってからFocus Goldに移行する方が効率的です。「なんとなく解けるが安定しない」偏差値50台の受験生なら★1・★2から始めれば十分使えます。
Q2. 1冊終わるのにどれくらいかかりますか?
取り組む★レベルによって大きく異なります。★1〜★2に絞れば3〜4ヶ月、★1〜★3なら5〜6ヶ月、全範囲なら8〜12ヶ月が目安です。受験学年であれば、夏前に★1〜★3を1周終えるスケジュールを目標にしましょう。
Q3. Focus Goldと青チャートは両方やる必要がありますか?
必要ありません。どちらか一方を徹底的にやり込む方が、2冊を中途半端にやるより何倍も効果的です。すでに学校でどちらかが配布されているなら、それを極めてください。
Q4. 数ⅠAと数ⅡBCは別冊ですか?
はい、別冊です。Focus Gold 数学Ⅰ+AとFocus Gold 数学Ⅱ+B+Cは別々の書籍になっています。まずⅠ+Aを仕上げてからⅡ+B+Cに進むのが一般的なルートです。
Q5. 新課程に対応していますか?
2022年以降の新学習指導要領(新課程)に対応した版が啓林館から発行されています。購入時は必ず「数学C」が含まれているかなど、現行課程に対応した最新版かどうかを確認してください。古い版と新しい版では範囲が異なります。
Q6. 解説が理解できない場合はどうすればいいですか?
Focus Goldの解説でも理解できない問題がある場合は、教科書や「数学Ⅰ+Aの本質の研究」などの解説書に立ち戻ることをおすすめします。また、わからない問題を無理に先に進むより、その問題に印をつけておいて後から質問や動画解説を活用する方が効率的です。

まとめ
Focus Gold 数学Ⅰ+Aは、偏差値55以上の受験生が難関大を目指すうえで最も完成度の高い参考書の一つです。「精講」による思考プロセスの解説と、★1〜★4の幅広いレベル設定が、この1冊を特別な存在にしています。
大切なのは、全問をこなそうとしないこと・精講を丁寧に読むこと・反復演習を怠らないことの3点です。使い方を正しく守れば、Focus Goldは確実にあなたの数学力を引き上げてくれます。
焦らず、自分のペースで着実に取り組んでいきましょう。
本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。