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英語長文の解き方のコツ|時間が足りない人のための速読&設問攻略法
「英語長文を読んでいると時間が足りなくなる」「読み終わっても設問に答えられない」——受験英語の悩みのほとんどはここに集約されます。
英語長文は、読み方と解き方に「型」があります。センスや英語力の差より、この「型」を知っているかどうかで得点が大きく変わります。
この記事では、試験本番で点を取るための速読テクニック・設問攻略法・時間配分まで、実践的なコツを体系的に解説します。
なぜ英語長文で時間が足りなくなるのか
時間不足の原因を正確に把握することが、解決の第一歩です。「読むのが遅い」と一言で言っても、原因は複数あります。
| 原因 | 具体的な症状 | 対策の方向 |
|---|---|---|
| ①返り読みをしている | 同じ文を何度も読み返す。前の段落に戻る。 | 英語の語順で意味をとる訓練 |
| ②単語・熟語が不足 | 知らない単語で止まり、そのたびに考え込む。 | 語彙力の底上げ(最優先) |
| ③精読しすぎている | 全文を同じ密度で読もうとしている。 | メリハリのある読み方を習得 |
| ④設問を後回しにしすぎ | 本文を全部読んでから設問を見る。 | 設問先読みの手順を身につける |
| ⑤時間配分が崩れている | 序盤の問題に時間をかけすぎて後半が雑になる。 | 大問ごとの時間を事前に決める |
この5つのうち、あなたはどれに当てはまりますか? 対策は原因によって変わります。「とにかく速く読もう」とするだけでは改善しません。
速読の基本|スキミングとスキャニングの使い分け
英語長文の速読には、大きく2つのアプローチがあります。この2つを適切に使い分けることが、時間を大幅に節約するカギです。
文章全体を「ざっと流し読み」して、トピック・主張・大まかな構造を把握する読み方。精読するのではなく、文章の地図をつかむイメージ。
本文を読む前・最初に使う特定の情報(数字・固有名詞・キーワード)を素早く探し出す読み方。設問で問われた箇所を本文から探すときに活用する。
設問の根拠を探すときに使う①設問を先に確認(何を聞かれているか把握)→ ②スキミングで本文の全体像をつかむ → ③設問ごとにスキャニングで根拠を探す、という順序が最も効率的です。
スキミングで必ず押さえるべき3箇所
スキミングで全文を読む必要はありません。次の3箇所を意識するだけで、文章の構造の7〜8割がわかります。
「速く読もう」と焦るあまり、however / therefore / in contrast などの接続表現を読み飛ばすのは逆効果です。接続表現は文章の論理の骨格なので、ここだけは確実に拾いましょう。
設問タイプ別|解き方のコツと手順
英語長文の設問には、それぞれ解くべき手順と見るべき箇所が決まっています。設問のタイプを見た瞬間に「どう解くか」がわかると、速度と精度が両立します。
最終段落と各段落のトピックセンテンスを照合する。「一番言いたいこと」を選ぶ。細かい例は主旨ではない。
選択肢のキーワードをスキャニングで本文から探す。「言い換え」に注意。本文に書いていないことは×。
空所の前後の接続関係を確認。逆接なら反対の内容、順接なら同じ方向の内容が入る。
下線部を含む文と前後の文を精読。抽象→具体(またはその逆)の言い換えを探す。
挿入する文の最初の語(接続詞・代名詞)に注目。前の文との論理的なつながりを確認する。
共通テストで頻出。設問が問う数値・傾向を図表から先に確認し、本文と照合する。
- 設問文を読み、「何について問われているか」を一言でまとめる
- 選択肢のキーワード(固有名詞・数字・特徴的な語)に印をつける
- 本文を読みながらキーワードが出てきた箇所に印をつける
- 印をつけた箇所の前後を精読して選択肢と照合する
時間配分の正解|大問ごとの目安を決める
英語長文で時間が足りなくなる人の多くは、序盤の大問で時間を使いすぎて後半が雑になるというパターンに陥っています。事前に時間配分を決めておくことが、得点を安定させる最大のコツです。
共通テスト英語の時間配分の目安(80分)
| 大問 | 目安時間 | 攻略ポイント |
|---|---|---|
| 大問1(発音・アクセント) | 4〜5分 | 知識問題。わからなければ即飛ばす |
| 大問2(文法・語彙) | 8〜10分 | 1問30秒以内。迷ったら印をつけて次へ |
| 大問3(英文・メール) | 12〜15分 | 設問先読み→スキャニングで解く |
| 大問4(図表・複数素材) | 15〜18分 | 図表の数値を先に確認してから本文へ |
| 大問5〜6(物語・論説文) | 20〜25分 | 最も配点が高い。時間を確保する |
1問に2分以上かけないことを意識しましょう。わからない問題は直感でマークして次へ進み、時間が余ったら戻ります。難問に固執することが最大の時間ロスです。
返り読みをなくす|英語の語順で読む練習
返り読み(読み返し)は、読解速度を最も落とす習慣のひとつです。返り読みが起きる根本原因は、日本語の語順で理解しようとしているからです。
“The idea that technology always improves our lives is not necessarily true.”
→ 文末の「not necessarily true」を見てから戻って意味を組み立て直す
The idea(その考えは)/ that technology always improves our lives(テクノロジーが常に生活を改善するという)/ is not necessarily true(必ずしも正しくない)
→ 左から右へ意味のかたまりごとに理解する
スラッシュ読みのトレーニング
意味のかたまり(チャンク)ごとにスラッシュを入れて読む「スラッシュ読み」は、返り読みをなくす最も効果的なトレーニングです。1日5〜10文を2週間続けるだけで、返り読みが激減します。
Scientists have discovered / a new species of fish / in the deep ocean / that can survive / at extremely low temperatures.
意味のかたまりごとに区切り、左から順に日本語に置き換えながら読む。最初は教科書の1文から始めてOK。
読む速度の目安|WPMを知って目標を立てる
英語の読む速度は WPM(Words Per Minute:1分間に読める語数) で測ります。現在地を把握することで、練習の目標が明確になります。
| WPMの目安 | レベル感 | 試験での状況 |
|---|---|---|
| 〜80 WPM | 返り読みが多い・単語で止まる | 大幅な時間不足。語彙強化が最優先 |
| 80〜120 WPM | 内容はとれるがやや遅い | 時間が少し足りない。スキミング習得へ |
| 120〜160 WPM | 標準的な速度 | 共通テストで時間内に解ける目安 |
| 160 WPM〜 | 速読ができている状態 | 難関私大・二次試験でも余裕が生まれる |
単語数がわかる英文(問題集の出典など)を用意し、1分間で読んだ語数を数えます。または「読んだ語数 ÷ 読んだ時間(分)」で算出できます。月1回測定して伸びを確認しましょう。
共通テスト英語に特有の攻略ポイント
共通テストの英語は、読むべき英文量が非常に多く、情報処理力と時間管理が合否を分ける構成になっています。形式に慣れるための特有の対策が必要です。
| 共通テストの特徴 | 対策のポイント |
|---|---|
| 複数の素材(メール+記事など)の組み合わせ問題 | それぞれの素材の「役割」(主張/根拠/反論)を意識して読む |
| 図・表・グラフが含まれる問題 | 図表を先に確認し、本文と照合するスキャニングを活用 |
| 発言・意見を選ぶ問題(ディスカッション形式) | 発言者の名前と主張のセットを素早くメモしながら読む |
| 読む量が多くて時間が足りない | 大問5・6に時間を残す。大問1〜3は素早く片付ける |
よくある質問
- 時間不足の原因は5つ:返り読み・語彙不足・精読しすぎ・設問後回し・時間配分崩れ。まず自分の原因を特定する
- スキミング(全体把握)とスキャニング(情報検索)を使い分ける。段落の第1文・逆接の直後・最終段落を軸に読む
- 設問は先読みして「何を探すか」を決めてから本文を読む
- 設問タイプ別に解法を変える:主旨・内容一致・空所補充・言い換えそれぞれに手順がある
- 共通テストは大問1〜3を素早く終わらせ、大問5・6に時間を確保する
- 返り読みはスラッシュ読みで解消できる。英語の語順で左から理解する習慣をつける
試験本番では「型」通りに解くことが最大の武器になります。今日から1つずつ実践してみてください。