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【東大卒が解説】共通テスト 数学Ⅰ・A 集中講義(河合出版)の使い方・評判・勉強法を徹底解説

共通テスト 数学I・A 集中講義

共通テスト 数学Ⅰ・A 集中講義とはどんな参考書か

共通テスト 数学I・A 集中講義 改訂版 共通テスト集中講義 シリーズ」は、河合出版から発行されている共通テスト対策専用の問題集です。

共通テスト特有の「思考力・判断力を問う出題形式」に特化して設計されており、単なる計算練習ではなく、誘導形式の問題を読み解く力を養うことを目的としています。

私がこれまで指導してきた受験生の中でも、「問題集は解けるのに共通テストになると点が取れない」という悩みを持つ生徒に、この一冊を勧めて成果が出たケースが多くあります。共通テスト対策に特化した参考書の中でも、解説の質と問題の質のバランスが優れた一冊です。


この参考書の基本情報

項目内容
書名共通テスト 数学Ⅰ・A 集中講義
出版社旺文社
対象レベル偏差値50〜65程度
問題形式共通テスト形式(マーク式・誘導形式)
特徴テーマ別の講義+演習のセット構成
使用時期の目安高3夏〜秋(9〜11月)

共通テスト数学の特徴をまず理解しよう

この参考書を正しく使うためには、共通テスト数学がどういう試験かを理解しておく必要があります。

共通テストの数学は、従来のセンター試験と比べて次の点が大きく変化しました。

  • 問題文が長く、状況設定を読み解く力が必要
  • 「誰かが考えた途中の解法」を引き継いで解く誘導形式が増加
  • 計算量は減ったが、思考の方向性を見極める力が重要
  • 図・グラフ・会話文形式が多用されている

つまり、「公式を当てはめるだけ」では解けない問題が大多数を占めるようになりました。この傾向に対応するために設計されているのが、この集中講義です。


本書の構成と中身

集中講義は、テーマ別の「講義パート」と「演習パート」が交互に並ぶ構成になっています。

各テーマの流れはおおよそ次のとおりです。

  1. 講義:そのテーマで共通テストがどう問うかを解説
  2. 例題:典型的な共通テスト形式の問題
  3. 演習問題:自力で解く問題(共通テストに近い形式)
  4. 解答・解説:考え方のプロセスを丁寧に説明

特に「講義パート」の質が高く、「なぜこういう誘導になるのか」「どこに注目すれば方針が立てられるのか」が言語化されているため、共通テスト形式に慣れていない受験生でも読み進めやすい構成になっています。


集中講義のメリット・デメリット

メリット

  • 共通テスト形式への適応力が高まる:問題文の読み方、誘導の受け方を繰り返し練習できる
  • 講義で思考法が学べる:「答え」だけでなく「なぜそう考えるか」が学べるため、応用が利く
  • テーマが細かく分かれている:苦手単元だけを集中的に取り組める
  • 解説が丁寧:河合出版らしく、途中のプロセスが省略されていない
  • 問題数が適切:多すぎず少なすぎず、消化しやすい量

デメリット

  • 基礎が固まっていないと使えない:公式や基本的な解法が入っていない状態では、講義を読んでも理解できない
  • 難問への対応力はつきにくい:共通テスト特化のため、記述式・二次試験対策には使えない
  • 演習量がやや少なめ:問題数が絞られているため、演習量を補う別の問題集が必要になる場合がある
  • 仕上げには過去問が必要:本番形式の時間配分や全体の流れを把握するには、別途過去問演習が必要

どんな受験生に向いているか

向いている人向いていない人
共通テスト形式の問題が苦手数学の基礎が全く固まっていない
問題集は解けるのに共通テストで点が取れない記述・二次試験対策が目的
誘導形式の読み方がわからない偏差値65以上で難問対策をしたい
夏〜秋に共通テスト対策をしたいすでに共通テスト形式に慣れている
苦手単元を重点的につぶしたい短期間で基礎から仕上げたい

東大卒・家庭教師が推奨する使い方

ステップ1:使い始める前に基礎確認

集中講義を使い始める前に、必ず基礎が固まっているかを確認してください。目安は「白チャートや黄チャートの例題を7割以上解ける」レベルです。基礎が不十分な状態で集中講義を始めても、講義の内容が頭に入りません。

ステップ2:テーマ別に「講義→例題→演習」の順で進める

苦手なテーマから着手するのが効率的です。得意なテーマは後回しにして、点数に直結する苦手単元を先につぶしましょう。

講義を読む際は「蛍光ペンを引きながら精読する」のがおすすめです。後で見返したときに、自分がどこを重要だと感じたかがわかります。

ステップ3:例題は必ず自力で解く

講義を読み終えたら、例題を何も見ずに自分の手で解きます。「わかった気」のまま先へ進むと、本番でまったく解けなくなります。解けなかった場合は講義に戻り、どの部分の理解が足りないかを確認してください。

ステップ4:解説を「考え方の言葉」で読む

解答を確認する際、単に答え合わせをするのではなく、「解説の中で使われている考え方の言葉」を意識して読みましょう。「この誘導はこういう意図だったのか」という気づきの積み重ねが、本番の初見問題への対応力を上げます。

ステップ5:全テーマ終了後に共通テスト過去問へ

集中講義を一通り終えたら、共通テスト(または共通テスト型模試)の過去問を時間を計って解きます。時間配分の感覚を養い、本番に近い環境での実力確認を行いましょう。


共通テスト数学Ⅰ・A 対策参考書の比較

集中講義と同じく共通テスト対策として使われる参考書を比較します。

参考書名出版社難易度特徴おすすめ時期
集中講義(本書)旺文社★★★☆☆講義形式・誘導への対応力9〜11月
共通テスト総合問題集河合出版★★★☆☆実践演習重視・過去問に近い10〜12月
決める!共通テスト数学学研★★☆☆☆丁寧な解説・初めての共通テスト対策8〜10月
面白いほどとれる本KADOKAWA★★☆☆☆読みやすい講義形式・入門向け7〜9月
共通テスト過去問レビュー河合出版★★★★☆実際の過去問・時間配分の練習11〜1月

集中講義は「橋渡し役」として最も機能する参考書で、基礎問題集と過去問の間に挟むと効果が高まります。


共通テスト数学の目標点別・勉強ルート

目標点推奨ルート
6割(60点)白チャートor黄チャート → 集中講義 → 過去問
7〜8割(70〜80点)黄チャート → 集中講義 → 過去問演習(複数年)
9割以上(90点〜)青チャート → 集中講義 → 過去問+予備校模試

よくある失敗パターンと対処法

私が指導してきた経験から見えてきた、集中講義の使い方における失敗を3つ紹介します。

失敗1:講義を読み飛ばして問題だけ解く

問題を解く量を増やしたいあまり、講義を「読むのが面倒」と感じて飛ばしてしまうケースです。この参考書の核心は講義にあります。問題だけ解いても、ただの問題演習と変わりません。

失敗2:基礎が固まる前に始める

共通テスト対策だからと焦って、基礎ができていない段階で集中講義を始めるケースです。解説を読んでも理解できず、時間だけが過ぎていきます。使い始めの目安は「基礎問題集の例題が安定して解ける」レベルです。

失敗3:1周したら終わりにしてしまう

1周解いて満足してしまい、復習をしないパターンです。特に間違えた問題は、1週間後に必ず再チャレンジしてください。解けなかった問題の考え方が定着するまで、何周でも繰り返すことが大切です。


FAQs:よくある質問

Q1. 集中講義は何月から始めるのが適切ですか?

高3の9月〜10月が最も効果的です。夏休みに基礎固めを終えた後、共通テスト直前期に入る前のタイミングで使うことで、基礎と実戦の橋渡しになります。早くても高3の8月以降が目安で、それ以前は基礎固めを優先させてください。

Q2. 集中講義と共通テスト過去問、どちらを先にやるべきですか?

集中講義を先に進めることをおすすめします。過去問は本番に近い形式で解く「実戦演習」として使うべきもので、まず集中講義で「共通テスト形式への対応の仕方」を学んでから、過去問で通し演習する流れが効果的です。

Q3. 文系で数学が苦手でも使えますか?

使えますが、その場合は「入門レベルの参考書(決める!共通テストなど)」を先に挟むことをおすすめします。集中講義はある程度の基礎力を前提とした参考書であり、初学者・超苦手な人にとっては解説でもつまずく可能性があります。

Q4. 集中講義だけで共通テスト8割は狙えますか?

集中講義1冊だけで8割を狙うのは難しいです。基礎問題集での土台づくり→集中講義→過去問演習という3段階を踏むことで、8割が現実的な目標になります。集中講義はあくまで「過去問に入る前の形式慣れ」として機能する参考書です。

Q5. 数学ⅡBの集中講義と一緒に使うべきですか?

共通テストで数学ⅡBも受験する場合は、ⅠAと並行して進めることをおすすめします。ただし、ⅠAの方が配点・出題比率ともに重要な単元が多いため、苦手な場合はⅠAを先に固めてからⅡBに移る方法もあります。


まとめ

「共通テスト 数学Ⅰ・A 集中講義」は、共通テスト特有の誘導形式・思考力問題への対応力を養うための、質の高い参考書です。基礎が固まった高3の秋以降に使うことで、最も効果を発揮します。

大切なのは「講義をしっかり読むこと」「自力で解く習慣をつけること」「間違えた問題を繰り返すこと」の3点です。この3つを守って使い込めば、共通テスト数学の得点は着実に上がっていきます。

共通テストの数学は「慣れ」が大きくモノを言う試験です。正しい参考書を正しい時期に正しく使って、本番に自信を持って臨みましょう。


本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。

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