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入門英文解釈の技術70とは?
「入門英文解釈の技術70」は、桐原書店から出版されている英文解釈の入門書です。
「英文解釈の技術」シリーズの中で最もやさしいレベルに位置しており、英文を正確に読む力(精読力)を基礎から養うことができます。
英語の長文が「なんとなく読めるが点数に結びつかない」受験生や、「単語はわかるのに文の意味がとれない」と悩む受験生に特に向いています。私が家庭教師として指導してきた生徒の中にも、この1冊で英語の読み方が根本から変わったという生徒が何人もいます。

英文解釈の技術シリーズ レベル比較表
まず、シリーズ全体の中での位置づけを確認しましょう。
| 書名 | 難易度 | 対象レベル | 目標偏差値 |
|---|---|---|---|
| 入門英文解釈の技術70 | ★★☆☆☆ | 基礎〜標準 | ~52 |
| 基礎英文解釈の技術100 | ★★★☆☆ | 標準 | 52〜60 |
| 英文解釈の技術100 | ★★★★☆ | 標準〜難関 | 60〜68 |
| 超英文解釈テクニック150 | ★★★★★ | 難関・最難関 | 65以上 |
「入門70」は文字どおりシリーズの入口。ここをしっかり仕上げることで、上位の参考書にスムーズに移行できます。

本書の構成と特徴
本書は70のテクニック(技術)を中心に構成されており、各項目が以下の流れで展開されます。
- 技術の説明:その構文や文法事項を日本語でわかりやすく解説
- 例文:技術を使う英文が提示される
- 和訳・解説:正確な訳と読み方のポイントが示される
- 確認問題:技術を実際に使って解く練習問題
1テクニック=見開き1〜2ページ程度にまとまっており、「1日5項目」のように細かく分割して進められる設計になっています。
扱う内容は、不定詞・分詞・関係詞・比較構文・強調構文・倒置など、受験英語の頻出文法事項を網羅しています。単なる文法書ではなく、「その文法がどう文中で機能するか」を解説してくれる点が他書との大きな違いです。

入門英文解釈の技術70のメリット・デメリット
メリット
- 1テクニックずつ積み上げられる:英文解釈に必要なスキルを70の単位に分解しているため、苦手箇所を特定しやすく、効率よく弱点補強できる
- 英文が短い:扱う英文が1〜3文程度と短く、初心者でも「読み切れた」という達成感を得やすい
- 精読の習慣が身につく:「何となく意味をとる」ではなく「文の構造を把握して訳す」という姿勢が自然に養われる
- 次のステップに繋がりやすい:基礎100や長文演習へのブリッジとして最適な難易度設計

デメリット
- 長文読解の練習にはならない:短文中心の構成のため、長文の文脈理解や速読力はこの1冊では身につかない
- 単語・熟語の補充が必要:語彙の説明は最小限のため、別途単語帳との併用が必要
- 難関大では不十分:早慶・旧帝大レベルを目指す場合、この本だけでは上位シリーズへの移行が必須
- 地味に見える:問題の見た目がシンプルで単調に感じることがあり、モチベーション維持に工夫が必要

東大卒・家庭教師が教える正しい使い方
ステップ1:技術の説明を声に出して読む
各テクニックの解説を声に出して読み、頭の中で「この文法はこう働く」というイメージを作ります。黙読だけだと流し読みになりやすいため、声に出すことで理解の甘さに気づきやすくなります。
ステップ2:例文を自力で訳してみる
解説を読んだ後、すぐに和訳を見るのは禁物です。まずノートに自分の訳を書き出してください。この「書く」という作業が、後から復習する際の大きな手がかりになります。
ステップ3:和訳と照らし合わせ、構造を分析する
自分の訳と模範訳を比べて、どこがズレたかを確認します。単なる「訳の違い」ではなく、「どの箇所の構造読みを間違えたか」に注目することが重要です。S・V・O・C・修飾語の役割を意識して文の構造を確認する習慣をつけましょう。
ステップ4:確認問題を解く
技術を理解したら、確認問題で実際に使えるかをテストします。例文と同じ技術が使われていても、文が変わると途端に解けなくなる受験生が多いです。ここでつまずいたら解説に戻って再インプットしてください。
ステップ5:3日後に該当テクニックを再確認
人間の記憶は翌日に大きく失われます。3日後・1週間後・1ヶ月後のサイクルで復習することで定着率が大幅に上がります。特に「訳せなかった例文」には付箋を貼っておくと復習しやすくなります。

こんな使い方はNG!よくある失敗パターン
失敗1:解説だけ読んで終わりにする
「わかった気」は本当の理解ではありません。必ず自分の手で訳を書く工程を省かないでください。書かないと入試本番で手が動きません。
失敗2:1周したら次の参考書に移ってしまう
1周しただけでは定着しません。私が指導してきた生徒に多いパターンで、「終わったのに使えない」という状態になりがちです。最低2〜3周を目標にしましょう。
失敗3:単語を調べずに進める
意味がわからない単語があるのに読み飛ばして進めると、構造は合っているのに訳が全然違うという事態が起きます。辞書または単語帳で必ず確認してください。
本書と一緒に使いたい参考書
| 目的 | おすすめ参考書 |
|---|---|
| 語彙強化 | システム英単語・ターゲット1900 |
| 文法の基礎固め | 大岩のいちばんはじめの英文法 |
| 解釈の次のステップ | 基礎英文解釈の技術100 |
| 長文読解への移行 | 関正生の英語長文ポラリス①・② |
| 総合演習 | 共通テスト過去問・志望校過去問 |

本書を使うべき受験生・使わなくていい受験生
| 使うべき受験生 | 使わなくていい受験生 |
|---|---|
| 英文の構造が全くわからない | 解釈の基礎がすでにある |
| 長文を読んでも意味がとれない | 偏差値60以上でさらに伸ばしたい |
| 文法は知っているが文が読めない | 時間がなく基礎100から始めたい |
| 高1〜2年で先取り学習をしたい | 難関大対策として即戦力が欲しい |
学習スケジュールの目安
| 期間 | 1日の目安 | 進め方 |
|---|---|---|
| 1〜3週目 | 5テクニック | 技術1〜35を例文中心に精読 |
| 4〜6週目 | 5テクニック | 技術36〜70を同様に進める |
| 7週目 | 10テクニック | 全体を速習・苦手テクニックに集中 |
| 8週目以降 | 弱点のみ | 2〜3周目として繰り返し復習 |
高3の春から始めれば、夏前には基礎100へ移行できる計算になります。

FAQs:よくある質問
Q1. 英文法の参考書を終えていないと使えませんか?
文法の基礎(品詞・5文型・基本的な接続詞など)は理解していると進めやすいですが、完璧である必要はありません。わからない文法事項が出てきたら文法書で確認しながら進めるスタイルでも十分対応できます。
Q2. 入門70と基礎100はどちらから始めるべきですか?
偏差値が50以下、または英文を読むこと自体に強い苦手意識がある場合は入門70から始めてください。「文法の知識はあるが実際の英文に使えない」というレベルであれば基礎100から入っても構いません。迷ったら入門70から始めるのが無難です。
Q3. 共通テストにも対応できますか?
入門70を終えた段階では、共通テストで高得点を取るにはまだ不十分です。本書はあくまでも精読の基礎固めを目的としており、共通テストで必要な「速く正確に読む力」は、長文演習を別途積む必要があります。
Q4. 1日何時間使えば終わりますか?
1日30〜45分の学習で、1テクニックあたり10〜15分を目安にするとちょうど良いペースです。1日5テクニック進めれば2週間で1周できます。丁寧にやりたい場合は1日3テクニックで3〜4週間で1周というペースもおすすめです。
Q5. 音読は必要ですか?
英文解釈の参考書は精読が目的なので、音読よりも「構造を意識した黙読と訳出」が中心になります。ただし、訳した後に構造を確認しながら音読することで、文の流れと構造が結びつきやすくなります。余裕があれば取り入れてみてください。
Q6. この本は何年生から使えますか?
高1から使えます。むしろ高1・高2のうちに終わらせておくと、高3での長文演習・過去問演習に余裕が生まれます。高3から始める場合は、夏前には終わらせることを目標にスケジュールを組みましょう。

まとめ
「入門英文解釈の技術70」は、英文の構造を正確に読む力を基礎から養える、英語苦手な受験生にとって頼もしい1冊です。70のテクニックという明確なゴールがあるため、計画が立てやすく、継続しやすいのも大きな強みです。
ただし、本書はあくまでも精読の基礎トレーニング。この本を土台に、長文演習や上位シリーズへと確実にステップアップしていくことが大切です。
正しく使えば必ず英語の読み方は変わります。焦らず、しっかり手を動かしながら取り組んでいきましょう。
本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。