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【東大卒が解説】英語長文ハイパートレーニングレベル3(難関編)の使い方・評判・勉強法を徹底解説

英語長文ハイパートレーニングレベル3 難関編

英語長文ハイパートレーニングレベル3とは?

英語長文ハイパートレーニングレベル3 難関編」は、桐原書店から出版されている英語長文問題集です。著者は安河内哲也氏・大岩秀樹氏で、シリーズ累計の使用実績が高く、難関大を目指す受験生に広く使われています。

本書の最大の特徴は、音読トレーニングを軸に据えた構成にあります。長文を読んで終わりではなく、返り読みをなくし「英語の語順のまま意味をとる」感覚を身につけることを目的として設計されています。

私がこれまで指導した受験生の中でも、英語長文への苦手意識が強い生徒ほど、この参考書で劇的に読むスピードが改善するケースを多く見てきました。


ハイパートレーニングシリーズのレベル比較表

まずシリーズ全体の位置づけを確認しましょう。

レベル通称難易度対象目標偏差値
レベル1超基礎編★☆☆☆☆英語が苦手な入門者~45
レベル2センター試験対応編★★★☆☆共通テスト対策50~60
レベル3難関編★★★★☆難関大・上位私大志望60~70

レベル3は、共通テストを突破した先、つまり難関大・上位私大の2次試験や個別試験を見据えた演習に最適なポジションです。偏差値でいえば60以上を目指す受験生がターゲットになります。


本書の収録内容と構成

レベル3には全7題の長文が収録されています。各長文は250〜400語前後の本格的な英文で、テーマは社会・科学・文化・環境など多岐にわたります。

1題あたりの構成

  • 英文(問題)
  • 設問(読解問題・語句問題)
  • 全文訳
  • 語句解説・文法解説
  • 構文解析(スラッシュリーディング対応)
  • 音読用スクリプト(CDまたはダウンロード音源)

特に注目すべきはスラッシュリーディングの解説です。英文をどこで区切り、どう意味をとるかが視覚的に示されており、「なぜそう読むのか」が自然と身につく仕組みになっています。


本書のメリット・デメリット

メリット

  • 音読トレーニングが充実:付属音源を使った音読練習で、速読力と正確な読解力が同時に身につく
  • 解説が極めて丁寧:なぜその答えになるかの根拠が本文のどこにあるかまで明記されており、自己採点・復習がしやすい
  • スラッシュリーディングで返り読みが矯正される:高速処理が苦手な受験生に特に効果的
  • テーマが入試頻出:収録長文のテーマが実際の入試問題と近く、背景知識の習得にもなる
  • 適度なボリューム:7題という数は「多すぎず少なすぎず」で、完璧に仕上げやすい

デメリット

  • 問題数が少ない:7題では演習量として足りないため、他の問題集との併用が必須
  • 最難関大(東大・京大・早慶上位)には物足りない場合がある:偏差値70以上を目指すなら、さらに上位の問題集が必要
  • 設問形式が限られる:記述問題よりも選択問題が中心のため、国公立の記述対策には別途補強が必要
  • 長文が7題と少ないため、多読には向かない:速読の絶対量を増やしたい人は他書も並行すべき

東大卒・家庭教師が推奨する使い方

本書を「ただ解いて丸つけする」だけでは、その価値の半分しか引き出せません。以下の手順が最も効果的です。

ステップ1:時間を計って本文を読み、設問を解く(初読)

まず辞書なし・解説なしで、本番と同じ環境を再現します。目安は1題あたり15〜20分。時間を計ることで、自分の現状の処理速度を把握できます。

ステップ2:答え合わせと根拠の確認

採点後に「なぜ正解か」「なぜ不正解か」を本文に戻って確認します。解説に書いてある根拠箇所に線を引き、設問と本文の対応関係を徹底的に分析してください。

ステップ3:全文訳と照らし合わせて精読

設問の確認が終わったら、全文訳を見ながら自分が誤読していた箇所を特定します。「なんとなく読んでいた」部分を炙り出すのがこのステップの目的です。

ステップ4:スラッシュリーディングで音読(最重要)

本書の核心はここです。スラッシュリーディングの解説を見ながら、最低でも5回音読してください。最初はゆっくりでよいですが、徐々に付属音源のスピードに近づけていきます。

音読の効果は科学的にも裏付けられており、声に出すことで脳への定着率が高まります。私が指導した生徒でも、音読を続けた生徒とそうでない生徒では、3ヶ月後の読解スピードに明確な差が出ました。

ステップ5:1週間後に再読して復習

一度完璧に仕上げた長文でも、1週間後に再度スラスラ読めるかどうか確認します。復習は短時間(5〜10分)で構いません。


レベル3の学習スケジュール例

目標内容
1〜2週目第1〜2題精読+音読5回×毎日
3〜4週目第3〜4題精読+音読5回×毎日
5〜6週目第5〜7題精読+音読5回×毎日
7週目全7題復習再読・スピード確認

2ヶ月弱で完璧に仕上げることが目標です。1日あたりの学習時間は30〜60分が目安です。


本書に向いている人・向いていない人

向いている人向いていない人
偏差値60前後で難関大を狙っている英語の基礎(文法・単語)がまだ不安定
長文を最後まで読み切れず時間切れになる偏差値70以上で最難関大を目指している
返り読みのクセが抜けない記述問題の練習を中心にやりたい
音読学習を取り入れたい問題数をとにかく多くこなしたい

特に「読むのは遅くないのに点数が安定しない」という受験生に向いています。設問の根拠を本文に求める訓練が、得点の安定に直結します。


他の長文問題集との比較

参考書難易度問題数音読対応解説の詳しさ向いている大学
ハイパートレーニングL3★★★★☆7題あり(充実)★★★★★難関私大・中堅国立
関正生の英語長文ポラリス2★★★★☆10題なし★★★★☆難関私大
やっておきたい英語長文700★★★★☆20題なし★★★☆☆国公立・難関私大
英語長文レベル別問題集5★★★☆☆8題なし★★★★☆上位私大

音読トレーニングを重視するならハイパートレーニング一択です。問題数を確保したいなら「やっておきたい700」との併用がおすすめです。


効果的な併用参考書

レベル3を軸にした理想的な学習ルートを紹介します。

単語・熟語:システム英単語・鉄壁など(読解の土台として必須)

文法:Next Stage・Vintage(設問の文法問題に対応するため)

問題演習(補強):関正生の英語長文ポラリス2 または やっておきたい英語長文700

志望校過去問:本書を終えたら早期に過去問演習へ移行する


FAQs:よくある質問

Q1. 英語の偏差値がどのくらいから使えますか?

偏差値55〜60以上が使用の目安です。単語と文法の基礎が一通り固まっていれば取り組めますが、英文を読んでも意味がほとんど取れない状態では解説を読んでも消化しにくいため、まずレベル1・2から始めるか、文法・単語の学習を先に進めましょう。

Q2. 音読は毎回やらなければいけませんか?

はい、音読こそが本書の最大の武器です。解いて丸つけするだけでは「問題集を1冊消化した」だけで終わります。音読5回以上を1セットとして習慣化してください。面倒に感じるかもしれませんが、1〜2ヶ月で読むスピードが体感できるほど変わります。

Q3. 7題では少なすぎませんか?

問題数の少なさは本書の弱点のひとつです。ただし、1題を完璧に仕上げる(精読+音読+復習)という観点では、7題は決して少なくありません。演習量を増やしたいなら「やっておきたい英語長文700」や「ポラリス2」を並行して使うのがおすすめです。

Q4. 早慶・MARCHに対応できますか?

MARCHレベルなら本書+過去問演習で十分対応できます。早慶については学部によって異なりますが、早慶の難度が高い学部(慶應法・早稲田政経など)は本書だけでは物足りないケースがあり、上位の問題集を追加する必要があります。

Q5. CDがなくても使えますか?

音源がなくても精読・設問演習はできますが、音読トレーニングの効果が半減します。現在はダウンロード音源に対応している版もあるため、購入前に対応状況を確認してください。音読は本書の核心なので、必ず音源を活用してください。

Q6. レベル2を飛ばしてレベル3から始めていいですか?

英語が得意で偏差値60以上あれば問題ありません。ただし、共通テスト形式の問題に慣れていない場合や、基礎的な長文でミスが多い場合は、レベル2から始めた方が結果的に近道になります。


まとめ

英語長文ハイパートレーニングレベル3(難関編)は、難関大を目指す受験生が英語長文の読解力を一段引き上げるのに最適な参考書です。

解いて終わりではなく、精読→解説確認→スラッシュリーディング→音読という一連のサイクルを繰り返すことで、返り読みのクセが矯正され、英文を英語の語順のまま処理できる力が身につきます。

問題数は7題と少ないですが、1題を完璧に仕上げる密度の高い学習ができることが本書最大の価値です。他の問題集と組み合わせながら、音読を武器に英語長文の得点を安定させていきましょう。


本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。

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