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CanPass英語とは?基本情報をおさえよう
「国公立標準問題集CanPass英語」は、駿台文庫が発行する大学受験用英語問題集です。駿台受験シリーズの一冊として、主に国公立大学の二次試験対策を想定して作られています。
タイトルの「CanPass」には「合格できる」という意味が込められており、国公立大学の標準〜やや難レベルの英語に対応するための実力を養うことを目的としています。長文読解・英作文・和訳といった記述形式の問題が中心で、共通テストとは異なる「二次試験型の英語力」を鍛えるのに特化した一冊です。
私がこれまで家庭教師として指導してきた受験生の中でも、地方国立・中堅国公立を目指す生徒に繰り返しおすすめしてきた問題集の一つです。

CanPass英語の基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 出版社 | 駿台文庫 |
| シリーズ | 駿台受験シリーズ |
| 対象レベル | 国公立標準〜やや難 |
| 問題形式 | 長文読解・英作文・和訳・英文法 |
| 目標偏差値 | 58〜68 |
| 使用開始時期の目安 | 高3春〜夏 |
| 特徴 | 記述式中心・解説が詳しい |

どんな問題集と比べられるのか?ライバル問題集との比較
CanPass英語を選ぶ前に、同レベル帯の競合問題集との違いを確認しておきましょう。
| 問題集名 | 難易度 | 形式 | 対象大学 | 解説の詳しさ |
|---|---|---|---|---|
| CanPass英語(駿台) | ★★★☆☆ | 記述中心 | 国公立標準 | ◎ |
| やっておきたい英語長文500 | ★★★☆☆ | 長文読解のみ | 私大・国公立 | ○ |
| 英語長文ハイパートレーニング3 | ★★★☆☆ | 長文読解のみ | 国公立標準 | ◎ |
| 旺文社 全レベル問題集⑤ | ★★★★☆ | 長文読解のみ | 難関国公立 | ○ |
| 過去問(各大学) | ★★★★☆ | 総合 | 各大学個別 | △ |
CanPass英語の最大の差別化ポイントは、長文読解だけでなく英作文・和訳を含む総合的な記述対策ができる点にあります。「長文だけ鍛えればいい」ではなく、二次試験の出題形式に近い実戦的な構成になっています。

CanPass英語の構成と中身
CanPass英語の内容構成を理解しておくと、計画的に取り組めます。
問題構成のポイント
問題は大きく分けて「読解問題」「英作文問題」「和訳問題」の3タイプが含まれています。実際の国公立二次試験の出題形式に合わせた設計になっており、各問題に対して以下の要素がセットになっています。
- 問題文(実際の入試に近いレベルの英文)
- 設問
- 全訳(英文の全日本語訳)
- 設問の解説(なぜその答えになるかの根拠が明示されている)
- 語彙・文法メモ(読解に必要な背景知識も補足)
特に「全訳+解説」のセットが充実しており、「なんとなく解けた・解けなかった」で終わらず、根拠を持って読む力が養われます。これは駿台の問題集全般に共通する強みです。

CanPass英語のメリット・デメリット
メリット
- 解説が圧倒的に充実している:全訳と設問解説が丁寧で、なぜその答えになるのかが論理的に説明されている。独学でも使いやすい
- 記述対策が総合的にできる:長文・英作文・和訳をまとめて鍛えられるため、二次試験型の英語力を効率よく養える
- 国公立の過去問で構成されている:実際の入試問題をベースにしているため、本番の雰囲気に慣れることができる
- 難易度が標準的で挫折しにくい:難しすぎず簡単すぎない絶妙なレベル設定で、着実に力をつけやすい
- 採点基準が明示されている:英作文・和訳の模範解答に採点ポイントが示されており、記述の自己採点がしやすい

デメリット
- 語彙・文法の基礎がないと使いこなせない:この問題集は「基礎固め済み」の受験生向けなので、英単語・文法が固まっていないと解説を読んでも消化しきれない
- リスニング対策はできない:共通テストや一部国公立のリスニング対策には別の教材が必要
- 問題数がやや少なめ:量をこなしたい受験生には物足りなさを感じる場合がある
- 難関大には物足りないことも:東大・京大・一橋など最難関を目指す場合は、もう一段難しい問題集も並行して必要

東大卒・家庭教師が推奨する使い方【5ステップ】
実際の指導経験から、CanPass英語の最も効果的な使い方をステップ別に解説します。
ステップ1:前提条件を確認する(使い始める前に)
CanPass英語は「橋渡し系」の問題集です。始める前に以下が揃っているか確認しましょう。英単語は1800語レベル(システム英単語・ターゲット1900など)、英文法は網羅系参考書を1周済み、英文解釈は基礎レベルの参考書(基本はここだ!・ポレポレなど)を終えていることが理想です。これらが未完成なら、先にそちらを優先してください。
ステップ2:時間を計って問題を解く(本番形式で)
各問題を解くときは必ず時間を計りましょう。目安は長文問題なら20〜25分、英作文・和訳なら10〜15分です。時間管理は二次試験本番で非常に重要なスキルなので、問題集の段階から習慣化することが大切です。
ステップ3:全訳と照らし合わせながら精読する
解き終わったら、全訳を参照しながら英文を一文ずつ精読します。「なんとなく読めた」箇所も、構文が正確に取れていたかを確認しましょう。読み間違えた箇所には必ず印をつけ、なぜ間違えたかを言語化しておくことが重要です。
ステップ4:英作文・和訳は採点基準を使って自己採点する
記述問題は採点が難しいですが、CanPass英語には採点ポイントが明示されています。自分の答案と照らし合わせ、「何点もらえるか」を意識して採点する練習をしましょう。この自己採点の精度を上げることが、記述力向上の近道です。
ステップ5:1週間後に間違えた問題を再演習する
間違えた問題は1週間後に必ず解き直します。「わかった気」になるだけでは定着しないので、同じ問題を白紙の状態で再度解けるかを確認しましょう。このサイクルを繰り返すことで、解法が血肉になります。

使用時期と学習スケジュールの目安
| 時期 | やること |
|---|---|
| 高3の4〜5月 | 英単語・文法・英文解釈の基礎固め(CanPassはまだ使わない) |
| 高3の6〜7月 | CanPass英語スタート。週3〜4問のペースで進める |
| 高3の8月 | CanPass英語を完走。間違えた問題の復習を重点的に |
| 高3の9〜10月 | 過去問演習へ移行。CanPassで鍛えた力を実戦で試す |
| 高3の11〜1月 | 志望校過去問を繰り返しつつ、弱点をCanPassで補強 |

CanPassに向いている人・向いていない人
| 向いている人 | 向いていない人 |
|---|---|
| 地方国立・中堅国公立を志望している | 英語の基礎(単語・文法)がまだ固まっていない |
| 共通テストは一定解けるが記述が弱い | 難関大(東大・京大・一橋)を目指している |
| 長文・英作文・和訳をまとめて対策したい | 共通テストのマーク式のみの対策をしたい |
| 解説が詳しい問題集を独学で使いたい | とにかく問題数をこなしたい |

よくある失敗パターン
失敗1:基礎が固まっていないのに使い始める
英単語や文法が不十分なまま取り組んでも、解説を読んでも理解が追いつかず、時間だけが過ぎていきます。必ず前提となる基礎を整えてから使い始めてください。
失敗2:解説を読んで「わかった」で終わる
解説を読んで満足してしまうと、次の試験で同じ問題が出ても解けません。必ず自分の手で書き直す・もう一度解くという作業をセットにしましょう。
失敗3:英作文・和訳を「なんとなく合ってる」で流す
記述問題は採点基準を使って厳密に自己採点しないと、本番で思ったほど点がとれません。自己採点の精度こそが記述力の向上につながります。

FAQs:よくある質問
Q1. CanPass英語は難しすぎますか?
標準的な国公立二次レベルを想定しています。英単語・英文法・英文解釈の基礎が固まっていれば、解説を読みながら十分理解できます。最初は難しく感じても、2〜3問解くうちに慣れてくることがほとんどです。
Q2. 何周すればいいですか?
少なくとも2周することを目標にしてください。1周目は「解く+解説を理解する」、2周目は「間違えた問題を自力で解けるか確認する」という使い方が理想です。時間があれば3周目に全問を通しで解くとさらに効果的です。
Q3. やっておきたい英語長文500との違いは何ですか?
「やっておきたい英語長文500」は長文読解に特化していますが、CanPass英語は英作文・和訳も含む総合的な二次試験対策ができます。長文だけ鍛えたいなら「やっておきたい」、記述総合で鍛えたいならCanPassという使い分けが適切です。
Q4. 共通テスト対策にも使えますか?
直接的には共通テスト対策にはなりません。CanPassは記述形式の二次試験対策が主目的です。共通テスト対策は別途マーク式問題集や共通テスト過去問で行いましょう。ただし、CanPassで鍛えた読解力は共通テストの長文にも間接的に活きてきます。
Q5. いつまでに終わらせるべきですか?
遅くとも9月末までには1周目を終わらせ、10月以降は過去問演習に重心を移すのが理想です。夏休みをうまく使って一気に進めると、秋以降の過去問演習を余裕を持って進められます。
Q6. 東大・京大志望でも使えますか?
使えないわけではありませんが、東大・京大レベルには難易度が物足りなくなります。英語の基礎を確認する目的や、英作文の記述力を底上げする用途なら有効ですが、本命の対策としては「英語要旨大意問題演習」や各大学の過去問を中心に据えた方がいいでしょう。

まとめ
「国公立標準問題集CanPass英語」は、地方国立・中堅国公立を目指す受験生が二次試験の記述英語を総合的に鍛えるのに最適な問題集です。解説の充実度・採点基準の明示・問題の質どれをとっても高いクオリティで、私がこれまで指導してきた受験生でも着実に力がついた生徒が多い一冊です。
ただし、基礎が固まっていることが大前提。基礎なしで使っても効果は半減します。単語・文法・英文解釈を一通り終えてから、この問題集に臨んでください。
正しい時期に・正しい使い方で取り組めば、CanPass英語は二次試験英語の大きな武器になります。計画的に活用していきましょう。
本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。
Sonnet 4.6