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【東大卒が解説】大森徹の生物 記述・論述問題の解法の使い方・評判・勉強法を徹底解説

大森徹の生物 記述・論述問題の解法

大森徹の生物 記述・論述問題の解法とは?

大森徹の生物 記述・論述問題の解法」(旺文社・大学受験Doシリーズ)は、生物の記述・論述問題に特化した参考書です。生物の入試対策において、知識の暗記だけでは対応できない「書いて説明する力」を集中的に鍛えることができます。

著者の大森徹先生は、生物の参考書・予備校講師として圧倒的な知名度を誇り、同シリーズの「生物(生物基礎・生物)」や「遺伝問題の解法」なども人気を博しています。その中でも本書は、記述・論述に絞った専門書として多くの受験生に使われています。

私がこれまで指導してきた受験生の中でも、「生物の知識はあるのに記述で点が取れない」という悩みを持つ生徒には、真っ先にこの参考書を勧めてきました。


この参考書が必要な理由:記述・論述問題の重要性

生物の入試では、国公立大学を中心に記述・論述問題が多く出題されます。単に用語を暗記しているだけでは得点できず、「仕組みを理解して自分の言葉で説明できる力」が求められます。

記述・論述が重視される主な大学・入試形式

大学・入試種別記述・論述の比重
東大・京大・医学部非常に高い(全体の50〜70%超)
旧帝大(阪大・東北大など)高い(全体の40〜60%)
地方国立大中程度(全体の30〜50%)
私立大(難関)一部で論述あり
共通テスト記述なし(選択式のみ)

共通テストのみ受験する場合は本書は不要ですが、国公立大や医学部を目指すなら記述力は避けて通れません。


本書の構成と特徴

本書の大きな特徴は、「解答の型」を教えてくれる点にあります。生物の論述は「なんとなく書く」のではなく、採点官が求めるキーワードと文章構成で書く必要があります。

本書の構成

  • 第1章:記述・論述問題の書き方の基本
  • 第2章〜:分野別の頻出論述テーマ(遺伝子・細胞・代謝・体内環境・生態など)
  • 各問題に:模範解答+採点のポイント+解説

特に優れているのが「採点のポイント」の明示です。「この記述では○○というキーワードが必須」「△△の仕組みに触れないと減点」といった採点基準が明確に示されており、自分の記述のどこが足りないかを客観的に判断できます。


本書のメリット・デメリット

メリット

  • 論述の「型」が身につく:ただ知識を羅列するのではなく、因果関係を整理して書く技術が習得できる
  • 採点基準が明確:模範解答だけでなく「なぜその表現が必要か」まで解説されており、自己採点の精度が高まる
  • 頻出テーマを網羅:入試で繰り返し出題されるテーマが厳選されているため、効率よく対策できる
  • 解説が丁寧:大森先生の解説は図やイラストも豊富で、仕組みの理解と記述力を同時に高められる
  • コンパクトな分量:やりきれる厚さで設計されており、直前期にも使いやすい

デメリット

  • 基礎知識がない状態では使えない:本書は論述の練習書であり、生物の基礎が入っていないと解説が理解できない
  • 問題数はやや少なめ:論述問題に特化している分、演習量を増やすには別の問題集も必要になる場合がある
  • 記号・用語問題には対応していない:あくまで記述・論述専門の参考書であり、生物全範囲の網羅的な対策にはならない

東大卒・家庭教師が推奨する使い方

本書を最大限活かすための、段階別の使い方を紹介します。

前提条件:基礎知識の習得が先

本書を使い始める前に、生物の基礎知識(教科書レベル)が頭に入っていることが必須です。「大森徹の最強講義117講」や教科書を使って、まず知識を固めてください。

ステップ1:テーマの解説を先に読む

いきなり問題を解こうとせず、まず各テーマの解説部分を読んで「どのような視点で論述するのか」を把握します。生物の論述は「現象の仕組み」「原因と結果」「比較・対比」のどのパターンで書くべきかを意識することが大切です。

ステップ2:時間を決めて自力で書いてみる

解説を読んだら、実際に制限時間(1問あたり5〜10分)を設けて自分で記述してみます。「なんとなくわかる」状態と「書ける」状態は全く別物です。必ず手を動かしてください。

ステップ3:模範解答と照らし合わせて「差分」を分析する

自分の解答と模範解答を比較して、何が抜けていたかを具体的に確認します。このとき「採点のポイント」に挙げられているキーワードが入っていたかどうかをチェックするのが効果的です。

ステップ4:不足したキーワードを中心に解説を再読する

差分が確認できたら、その箇所の解説を読み直し、なぜそのキーワードが必要なのかを理解します。「なんとなく書けなかった」のか「そもそもその仕組みを理解していなかった」のかを区別することが重要です。

ステップ5:3日後に白紙に書き直して確認

忘却を防ぐため、3日後に同じ問題を白紙状態で書き直します。このとき模範解答を見ずに書けるかどうかが、定着の目安になります。


他の生物論述問題集との比較

本書を選ぶべきかどうか、他の参考書との比較で確認しましょう。

参考書名難易度解説の詳しさ問題数向いている人
大森徹の生物 記述・論述問題の解法標準〜難★★★★★少なめ論述の書き方から学びたい人
生物記述・論述問題の完全対策(駿台)★★★☆☆多め難関大志望・演習量を積みたい人
生物[生物基礎・生物]標準問題精講標準〜難★★★★☆中程度論述+選択問題をバランスよく対策したい人
実戦生物重要問題集(数研出版)標準〜難★★★☆☆多め幅広い形式で演習を積みたい人

本書の最大の強みは「解説の詳しさ」です。論述の書き方がわからない段階では、問題数よりも解説の質を優先すべきです。演習量を増やしたい段階になってから、他の問題集を追加するのがベストな使い方です。


どのタイミングで使い始めるべきか

本書を使い始める時期の目安をまとめました。

使い始める時期の目安

状況開始時期の目安
高3・国公立大志望夏休み前後(基礎固め後)
高3・医学部志望6〜7月(早めに着手)
浪人生5〜6月(基礎復習後すぐ)
共通テストのみ受験使用不要

医学部志望の受験生を指導してきた経験上、論述対策は夏前から始めないと仕上げる時間が足りなくなります。「基礎が固まってから」と後回しにしすぎて、秋になってから慌てて取り組むケースが非常に多いです。


よくある失敗パターンと対策

失敗1:模範解答を読んで満足してしまう

最も多い失敗です。模範解答を読んで「なるほど」と思うだけでは論述力はつきません。必ず自分で書いてから答え合わせをする習慣をつけましょう。

失敗2:キーワードを暗記しようとしてしまう

「このテーマならこのキーワード」と丸暗記しようとすると、少し変化した問題に対応できなくなります。キーワードが必要な理由(仕組みの理解)とセットで覚えることが大切です。

失敗3:字数制限を無視して練習する

実際の入試では「60字以内」「3行以内」などの制限があります。練習の段階から字数・行数を意識した記述を心がけましょう。


FAQs:よくある質問

Q1. 本書だけで記述・論述対策は完結しますか?

基本的な論述の型と頻出テーマの対策は本書で十分カバーできます。ただし、演習量を増やすためには志望校の過去問演習が必須です。本書で型を習得したあと、過去問で実戦感覚を磨くのが最も効率的なルートです。

Q2. 生物の基礎知識がまだ不十分ですが使えますか?

使うのは難しいです。本書は「知識を持っている前提で、それを文章で表現する力を鍛える」参考書です。まず「大森徹の最強講義117講」や教科書で基礎知識を固めてから取り組んでください。

Q3. 医学部受験に対応できますか?

医学部入試の論述レベルには、本書に加えてさらに高難度の演習が必要なケースもあります。ただし、論述の基礎・中級レベルを固める参考書として本書は非常に有効です。本書で型を習得したあと、各大学の過去問や難関大専用の問題集に移行することをおすすめします。

Q4. 「大森徹の最強講義117講」と一緒に使うべきですか?

セットで使うことを強くおすすめします。「最強講義117講」で知識・仕組みを理解し、本書でそれを文章化する力を鍛えるという役割分担が明確で、非常に相性が良いです。多くの受験生がこの2冊をセットで使っています。

Q5. 改訂版と旧版の違いは何ですか?

改訂版では、近年の入試傾向に合わせてテーマの追加・修正が行われています。新課程対応の内容も含まれているため、これから購入するなら必ず改訂版を選んでください。


まとめ

「大森徹の生物 記述・論述問題の解法」は、生物の記述力・論述力を体系的に鍛えられる、数少ない専門参考書です。知識があっても論述で得点できない受験生が、論述の「型」と「採点基準の考え方」を身につけるのに最適な1冊です。

ただし、基礎知識が不十分な状態では効果が半減します。まず基礎を固め、夏前後から本書に取り組み、過去問演習につなげていくルートが最も効率的です。

国公立大・医学部受験生で生物を使う方は、論述対策を後回しにせず、早めに本書を手にとってみてください。


本記事は東大卒・家庭教師経験者による監修のもと作成しています。

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